今回は、「喪中はがき」について考えていきたいと思います。
毎年、そろそろ「お正月や年末の準備をしなきゃ」って思う頃になると、
自宅のポストに喪中はがきが入っていたりします。
この喪中はがきって、誰が亡くなった時に出すものなのか?よくわかりません。
マナーとしては、自分から見てどの範囲の続柄の人が亡くなった時が対象となるのでしょうか?
また、喪中はがきを出すとき、その文面はどんな風に書くのがいいのか?
その書き方の文例も見てみたいと思います。
さらに、、喪中はがきを夫婦連名で出すとき、
誰から見た続柄となるのかなど疑問点はたくさんありそうです。
ひとつづつ、調べてみたいと思います。
喪中の基本的なマナーとは?
喪中とは、古くから、亡くなることは“穢れ”と考えられてきましたので、
身内に亡くなった人が出ると、その穢れが他の人に波及しないように、
一定期間、他の人と相対さないように生活するという習わしで、
「喪に服す」という部分が現代に残ったものです。
喪中の続柄の範囲とは!?
基本的に喪に服しないといけない範囲というのは、
一般的に故人を中心とした一親等と二親等までとされています。
一親等というのは、「両親、配偶者、子」のことを言い、
二親等というのは、「兄弟姉妹、祖父母、孫」という続柄の範囲を指しています。
しかし、最近では、同居しているか否かによって考え方を変える人もいて、
同居していない場合、喪中としない人も増えています。
「忌中」と「喪中」の違い!
四十九日の法要までは「忌中」として、より厳格に身を慎む期間とされています。
そして喪中というのは、現在では、
近親者が亡くなった日から1年間(場合によって13ヵ月も)を喪中とするのが一般的です。
喪中はどうする?
「喪中」の期間は、身を慎むということで、基本的におめでたいことはせず、
おせち、初詣などは控え、年賀状は送らず、年賀を欠礼する挨拶状である、「喪中はがき」を送ります。
そして、この「喪中はがき」と呼ばれているものは、正式には「年賀欠礼状」と言い、
喪中期間のお正月に、新年を喜ぶ挨拶を控えることを詫びるものと言えます。
なので、この喪中はがきの目的は、
「喪中のため、新年のお喜びをお伝えすることを控えさせて頂きます」という挨拶状なのです。
文面例とは!?
基本的には文章に入れたいのはこの3つ。
①「喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます」という趣旨の文章。
②「誰が、いつ、何歳で亡くなったのか」ということ
③「故人が生前お世話になったお礼や挨拶」など
ちなみに、一般的に喪中の期間は1年間ですから、亡くなった時期が年の初めでも年末でも、
年始は喪中にとなるため、喪中はがきを出すというのが基本的な考え方です。
では、文例を見てみましょう。
基本例
喪中はがきの「年賀欠礼文」の例として・・
本年も残すところ僅かとなりました
みなさまにはお元気にお過ごしのことと存じます
私どもでは○月に○○歳にて父 ○○が永眠いたしました
誠に恐れ入りますが服喪中でございますので
新年のご挨拶を謹んでご遠慮させていただきます
本年中はひとかたならぬ賜りましたご厚情には深く感謝いたしております
○○様におかれましてはお健やかに新しい年を迎えられますよう心よりお祈り申しあげます
令和○年○月
と、こんな感じです。
ここで注意したいのが、基本的に句読点は付けず、行頭の一字下げもしないのが一般的ということ。
シンプルな文例
シンプルな文例としては・・
新年のご挨拶を申し上げるべきところではございますが
亡き父 ○○の喪中につき失礼させていただきます
本年中に賜りましたご厚情を深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどお願い申し上げます
令和○年〇月
「他界」を使った例
「他界」という言葉を織り交ぜた例・・
本年〇月に父 ○○が○○歳にて他界いたしました
生前のご厚情に深く感謝申し上げますとともに
明年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願いいたします
寒さに向かう折からご自愛のほどお祈り申し上げます
令和○年〇月
「天寿」を使った例
「天寿」という言葉を織り交ぜた例・・
本年〇月に父 ○○が○○歳にて天寿を全ういたしました
生前のご芳情に厚く御礼申し上げますとともに
明年も変わらぬご厚誼を賜りますよう謹んでお願いいたします
皆様にとりまして良き年が訪れますようお祈り申し上げます
令和○年〇月
夫婦連名の続柄の書き方は?
文面例を見てきましたが、いざ、喪中はがきの印刷の注文を出そうとするとき、ふと疑問がよぎってきます。
それは、続柄の書き方の疑問です。
夫婦連名で出したいのですが、その時亡くなったのが、本人から見れば「実父」だったとします。
しかし、配偶者から見れば「義父」なわけです。
この時の書き方としては「父」でいいのか?という疑問です。
ということで調べてみました。
基本的に、喪中はがきを書く続柄としては先ほどもあったように二親等です。
そして、喪中はがきに記される続柄は、故人と差出人の関係を表すものということになります。
ということは、やはり夫と妻とでは続柄が違うので、
連名として喪中はがきを出す場合は、表記が違うことになってしまいます。
しかし、「親等」の数え方は、民法上は配偶者を自分と同一視するため、
配偶者の親族と自らの親族を同様に扱うそうなんです。
つまりは、配偶者は「夫婦」というくくりの中で「0親等」の扱いとなるそうです。
このことから、配偶者にとっても「父」の表記でよく、「義父」とする必要はありません。
まとめ
今回は、喪中はがきを出すときの文面例や、夫婦連名のときの書き方についてみてきました。
- まずは、「喪中」の基本的なマナーについて調べました。
- 「喪中」となる続柄の範囲見ついてみてきました。
基本的に、喪中と波瑠親族の範囲は二親等以内ということのようです。 - 「忌中」と「喪中」の違いについて、「忌中」とは四十九日までのことで、
「喪中」は一年間のこととなります。 - そしてその喪中の最中、年始の祝い事をしないという意味で、
年賀を欠礼する挨拶状である「喪中はがき」を出す習慣があります。 - そして、「喪中はがき」の書き方の文例について、
基本・シンプル・「他界」の例・「天寿」の例を見てきました。 - また、夫婦連名で喪中はがきを出す際に、亡くなった方との続柄に関しては、
「夫婦0親等」の考えからの続柄とするので良いそうです。
「喪中はがきの書き方」やマナーについてみてきましたが、
正直、調べてみて初めて知ったことがかなり多かったです。
いろんなことを考えてみたり調べたりする重要性を再認識しました。