家庭学習の進め方~学校からの手引、親の関わり方、自学自習への道!
学校での学習は、多い日で45分×6コマで4時間半がいいところです。
ですから、学校で学んだことをきちんと復習することで理解を確実なものにする家庭での学習時間がどうしても必要です。
全国的に、家庭学習時間の目標は、学年×10分が目安となっています。
この目標を達成するためには、家庭の協力が欠かせません。
ここでは、家庭学習の仕方や親がどうやって関わるか、自分で進んで行う自学学習への方向性をお話します。
学校から配付される手引
入学時や年度の初めには、学校から「家庭学習の手引」なるものが配付されます。
その中には、家庭学習の大切さと学年に応じた内容の事例が書かれています。
大切さというかねらいは、冒頭に書きましたことと、自分で学習する「学び方を学ぶ」という姿勢をつけさせるということです。
事例としては、学年に応じた難易度の違いがありますが、漢字や計算の練習・日記・作文・言葉調べ・感想文など幅広い内容が考えられます。
宿題やプリントの類は、「義務づけられた」学習なので厳密にはこの範疇には入りません。
毎日、決まった時間にある程度の時間机に向かい取り組むという習慣づくりをすることも大きなねらいと言えます。
手引には、児童の実践例がそのまま掲載されている場合もありますし、学校では取り組みの例として良くまとまった家庭学習用ノートを掲示している場合もあります。
親の関わり方はどうあるべきか
保護者は、子どもの家庭学習にどのように関わることが理想的なのでしょうか。
先程もお話ししたように家庭学習は自学自習への第一歩です。
ですから、親が主導して行わせるのではなく、取り組みに寄り添ったりサポートしたりする立場を貫くことが大切です。
つまり「勉強しなさい。」ではなく、「うまくいっているかい。手伝うよ。」です。
低学年の実態では、熱心な保護者がオリジナルの問題作りをして、それをやらせて提出していることが多いです。
子ども達の間近にいて、その実態を一番分かっているのは保護者です。
ですから、子どもの課題点に合わせた問題を作問することができます。
低学年の保護者であれば、そのようなノートづくりをすることが可能です。
中学年、高学年となっていくと、親が手出しすることは段々と難しくなります。
なぜかと言いますと、親が学んだ方法と現在の担任の方法が少し違っている場合があるからです。
学校と家とて教え方が違うと、子ども達に思考の混乱をさせることになるかもしれません。
ですから、少しずつ親の手を離れるようにして、友達のノートなどを参考にしながら自分なりの学習を進めていくのを見守るということになります。
しかし、見守っているだけでは、なかなか前に進まない場合もあります。
具体的に何をしていったらいいのかの相談に乗ったり、頑張って取り組んだことに対してきちんと評価の言葉を与えたりすることが大切です。
その評価をするのは、保護者だけではありません。
提出先の担任が、まずもって評価をし、その努力を讃える励ましをしなければなりません。
種を蒔いただけで水を与えない種子が花開かないのと同じで、担任と保護者が連携して、励ましを与え続けて頑張ろうと思う気持ちを育てていかなければなりません。
自学自習への道
そうして、自分なりの計画で復習、あるいは予習に取り組んでいくことになります。
小学校を卒業し中学生になれば、いやでも自学自習する学習スタイルとなります。
急激な変化について行けず困ってしまう「中一ギャップ」といった問題もあります。
中学では日々の勉強の先に、定期試験や学力試験、そしてその先に成績の確定と高校進学が控えています。
小学校高学年までに、この自学自習の習慣が身に付くように励ましていくことで、中学校のルートに乗せなければなりません。
スムーズな進学の流れを作ることが、このギャップを乗り越える方法です。
家庭学習の進め方のまとめ
先程、家庭学習の時間目標をお話ししましたが、時間より何より一番大切なのは習慣化です。
そのためには、まず規則正しいリズムの家庭環境を作っていく必要があります。
親の都合で食事の時間がまちまちでは、健康のリズムが整いません。
けじめのない生活で、就寝時刻や睡眠時間がばらばらでも同様です。
衣・食・住のきちんとした家庭環境で育っているお子さんは、落ち着いて学習に取り組むことができていることが多いです。
親にとっては、生活・学習環境を整えてあげることが、真っ先にできる重要なことです。
そして、次に親の手を離れた自主的な学習ができるように習慣付けることが重要です。
そのためには、遠いように見えて実は近い自分の将来の方向性や夢というものをしっかり考えさせることが大切です。
その将来の夢が日々の家庭学習のモチベーションになることが考えられるからです。
目標設定が早すぎて困ることは決してありません。
習慣化し家庭環境から生活のリズムを整え、子どもの見る将来の夢に向かって進ませてあげたいと思います。